行基図 現存最古の日本図
日本ではじめて地図が作られたのは、いつ頃だったのでしょう? 646年、あの有名な「大化改新の詔」の中で、各地の地図を朝廷に提出するよう記されています。これが記録上もっとも古い地図の起源でありました。その後、奈良・平安時代にも、国家の一大プロジェクトとしての日本地図作成を記録上にみるとこができますが、いずれも伝存する図がないためその内容を確認することができません。 そもそも実用の面から考えれば地図はその内容が常に最新である必要があって、古くなった図は廃棄される運命をたどります。貴重であるゆえに、紙を漉き直して再利用する時代のこと、なおさら古い地図は残らなかったのでしょう。 「行基図」は、奈良時代の僧、行基(668〜749)が作ったという伝承つきの地図。現在確認することのできるものではもっとも古い日本図です。お世辞にも正確な地図といえないその図のスタイルは、山城国を中心に七道を貫く線を引き、そこへ丸みをおびた形の国を並べるものでした。飛躍的発展をとげる江戸時代に至るまで、ながく日本図のスンダードとして利用され、写図や版本が江戸初期まで作られています。