映画「伊能忠敬-子午線の夢-」が現在全国公開されています。
この映画の撮影は全国にわたっていますが、古河市内の鷹見泉石記念館、古河総合公園と中山家・飛田家住宅でも行われました。また地元演劇グループがエキストラで参加しています。
ところで井上ひさし氏の小説「四千万歩の男」には、伊能忠敬の測量隊が蝦夷地に向かうとき、利根川の堤で少年時代の鷹見泉石と出会う場面があります。これはもちろんフィクションで、忠敬と泉石が直接出会ったか今のところ確認されていません。忠敬の方が40歳年上です。
泉石も少年時代より地図に関心をもっており二人の接点といえるのが現在博物館で展示中の「日本東半分沿海地図」という畳3枚分もの大きな地図です。これは伊能忠敬が自費でおこなった第4次測量までの成果をまとめたものです。その精度の高さに驚いた幕府は以後10次までの測量を幕府御用としました。
この忠敬にとって記念すべき地図を泉石は文政12年(1829)
にわずか8日間で書き写しました。泉石45歳、忠敬没後11年目にあたります。
なお全国の測量が終了したのは忠敬の亡くなる前年、地図が完成したのは没後3年でした。これらの地図は軍事的にも幕府の秘蔵品でしたが、泉石が写せたのは主君土井利位が幕府の要職にあったためとみられます。原図が失われているため、写しといえども大変貴重なものです。(地図は12月24日まで展示中)
古河歴史博物館学芸員 鷲尾政市 |